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料理のまんなかには「寛容」がある――
自然が与えてくれる風味と香りをとことん楽しむ、手のひらから宇宙へ広がるスパイス・エッセイ。クミンシード香るマンゴーでかきこむ飯の味、コリアンダーリーフの知られざる効用、納豆に入れるとおいしいスパイス、京都の自庭で育てるカレーリーフ……長くインドと日本を行き来する生活をしてきた装丁家が綴る、辛くも酸っぱい、ときには甘いスパイスの世界。
「食べることは、栄養を摂り、食欲を満たすだけではなく、いまの自分を知る手がかりになる。いつの日も、こだわりにとらわれず、その場その場で柔軟な「食」を受け入れ、咀嚼できる自分でありたい。
生活は「自ら選びとる」ことの連続だ。その実践と実験をここに記してみよう。手に負えないほど広すぎるスパイスの宇宙で、からだとこころに耳をすましながら、ジタバタと手足を動かすのだ他人からは溺れているようにしか見えないかもしれないが、泳いでいる本人はいたって真剣である」(はじめに より)
◇矢萩多聞(やはぎ・たもん)
画家・装丁家。1980年横浜生まれ。9歳から毎年インド、ネパールを旅する。中学1年から学校をやめ、ペン画を描きはじめる。95年から南インドと日本を半年ごとに往復しながら個展を開催。2002年から本づくりの仕事をはじめ、これまでに600冊を超える本をてがける。2012年から京都に移住。出版レーベルAmbooksを立ち上げ、本と本の周辺を愉快にする活動をくり広げている。著書に『本とはたらく』(河出書房新社)、『美しいってなんだろう?』(世界思想社)、『本の縁側』(春風社)など。
〈 Yoriメモ 〉
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ページ数:320
判型:四六判
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